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大畑等句集 ねじ式
[著者略歴]
1950年年和歌山県新宮市生れ
現代俳句協会会員、千葉県現代俳句協会幹事
「麦新人賞「麦作家賞」受賞
第21回(2001年度)現代俳句協会評論賞
現在「遊牧」同人、「西北の森」会員

野火放つアフリカ地図のくらがりへ
地獄絵の臍を数えて冬の凪
男の頸絞めたり葱を作ったり
心は腸である高感度フィルム
舟虫に這われるほど僕は岩でない
三界の家からボウフラ湧いてくる
童謡の黒煙あがる菜の花畑
蛇出れば新興俳句はすぐ殺し
立夏なり蛸は筋肉で泳ぐ
微風の兄たんぽぽを踏まぬように
海人や潮目にふぐり冷やしおり
母よ橙山に喪服を捨てたでしょう
酢蛸から浄土真宗見えてくる
森の昏さへ仲人しずかに餅を搗く
家系図は床上浸水浮いてこい
竜田姫パイプの椅子に挟まれる
なめくじのひとつうねるは狼煙なり
平均台に坊さん三人女郎花
踏んづけて亀を鳴かせり十二使徒
なめくじりいちいち尻を見るなかれ
観音霊場あれは抜き手の上手い姉
桃色の歯茎見せあい終戦忌
暗箱を抱えて鶏頭立ち上がる
紅梅と二日続きの臨死かな
愛のあと独活一本の別れかな
祭きて田螺(たにし)を盗む神の尻
水仙の息の根を止め床柱
奇術師の手に泥葱とマタイ伝
きさらぎの石積み終えしは悪僧か
白梅に尾鰭を自慢するおとこ
金屏風立てて水呑む秋の蛇
虫屋ありグリコのおまけを荷物とす
悪人の手紙みじかし合歓の花
梅雨空や遺書書くまえに落書す
十日の菊似たり寄ったり臍の位置
うしろから突き落とされて滝である
わたくし的に実朝的に花ふぶき
戦後まで産後までと胡麻叩きつ
ゆうざくら棚より落ちる家霊かな
ねじ式で卵うみたる秋のマリア
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